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なぜ今、わたしたちは森を支えなくてはならないのか。

なぜ今、わたしたちは
森を支えなくては
ならないのか。

わたしたちは、長い間森林とともに暮らし
森林から木材をはじめ水や空気など
多くの恵みを享受してきました。
しかし、暮らしの変化とともに
森林との関わりが薄れるにつれ、
手入れ不足や管理放棄により
荒廃した森林が増加しています。
未来にわたり森林からの恵みを
享受し続けるためには、わたしたち全員が
その恵みを改めて理解するとともに
森林に関心を持ち、その維持・管理に
積極的に参加していくことが必要です。

REASON WHY PROTECT

なぜひろしまの森林を
守るのだろう?

森林は、土砂の流出や崩壊を防止する機能、洪水や渇水を緩和する機能、水質を浄化する機能、多様な動植物の生息の場、二酸化炭素を吸収し固定する機能など様々な機能を持っています。
土砂の流出や崩壊を防止する機能や洪水や渇水を緩和する機能は、近年多発する甚大な自然災害を受け、より一層の発揮が望まれています。
また、二酸化炭素を吸収し固定する機能は、地球温暖化につながる温室効果ガスの排出を日本全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」の実現に向け、大気中の温室効果ガスの吸収源として、また木材という形で炭素を長期間固定できる点で、大きな役割を果たすことが期待されています。
わたしたちがこれからも変わらず暮らしていくためには、これら森林の持つ公益的機能が十分に維持・発揮されるよう、森林を守り支えていくことが必要です。

⽔源のかん養機能

⾬⽔を貯留することで洪⽔や渇⽔を緩和し、その過程で⽔質を浄化します。

県⼟の保全機能

樹⽊の根や地表を覆う落葉・下草により、⾬などによる⼟砂の流出や崩壊を防⽌します。

WHAT IS NECESSITY なぜ森林を⽀える取組が
必要なのだろう?

01

NEED FOR CARE

人工林の手入れの必要性

県内の森林を見ると、太田川流域と江の川流域の林業地帯にスギ・ヒノキを植林した森林(人工林)が分布しています。これは戦後復興期に国内の木材需要が高まり、価格も高騰した結果、全国で積極的に植林が行われたことによるもので、本県においても14万ヘクタールの人工林が生まれました。
人工林は、木材をもっとも効率よく生産するよう、一定面積内に非常に多くの本数の苗木を植えているため、数年ごとに間伐(間引き)をくり返し、木の成長にあわせてその都度適正本数を保つ必要があります。
しかしながら、外国から輸入される木材との価格競争力を失い、国内の木材需要が落ち込んだ結果、林業の採算性が悪化し、県内の約3.8万ヘクタールの森林(R3末現在)において、伐採や植林などの手入れが進まなくなりました。
人工林は、いわば『畑』であり、手入れを行うことで成立しています。手入れを行わなければ、植林した木は細く長く成長し、台風や雪で折れたり、雨で根こそぎ流れてしまう危険性が増加します。
また森林の中に光が差し込まないことから、植林木以外の植生が育たない環境になり、表土が痩せて、水を蓄える力も失われることとなります。

COLUMN 人工林の⼿⼊れ

森林の手入れには、植え付けした苗木が一定の高さになるまでの間、周囲の雑草木類の成長に負けないように雑草本等を刈り払う「下刈り」、育てようとする木の生育を妨げる他の木を刈り払う「除伐」、成長に伴って混みすぎた人工林の木を一部伐採する「間伐」があり、これらを森林に施すことを「森林の手入れ」「森林整備」などといいます。

手入れがされず、放棄された人工林

木が細り、日光が差し込まないため林床植生が少なくなっています。

適切な時期に間伐が行われなかった人工林

表土が流出したため木の根がむき出しになっています。

02

NEED FOR MAINTENANCE

里山林の整備の必要性

かつて人里に近い森林は、「里山林」として、家庭で使用する薪炭用材や肥料用の落葉の採取が日常的に行われており、それらを賄うための手入れもなされてきたことから、県内では、マツやコナラを主とした里山林が維持されるとともに、現在の景観が形成されてきました。

しかしながら、石油製品の導入などにより森林に依存しない生活様式に移行するにつれ,里山林の資源利用は減少し、手入れも行われなくなりました。

手入れされなくなった里山林では、薮化が進み、イノシシやシカの隠れ場所となって鳥獣被害の発生や増加が懸念されるほか、昔から維持されてきた景観や生態系に変化が生じています。

また近年では竹林が拡大し、その地域に昔から根付いている植物が駆逐されるなど、地域の景観が大きく変わる問題も発生しています。

COLUMN ⾥⼭林の⼿⼊れ

手入れが行われない里山林は、その林縁部や木々の間の開けた場所がササやクズなどの雑草で一面覆われ,容易に林内へ入れない状態になります。 また、林内は密生状態になり、林床に光が入らず下層植生が育たなくなります。 そのため、下草刈りやツルの除去、竹の伐採駆除や立木の適切な伐採を行って通風と採光を確保し、残置する木や下層植生が成長できる環境づくりを行うなど、目標とする里山林の形に誘導するための取組を行います。

放置された⾥⼭林の林内

⾥⼭林の整備の例

03

NEED FOR PEOPLE WHO PROTECT FORESTS

森を守り育てる方々の必要性

森林所有者の取組や公的機関による森林整備のほか、近年は森林に対する関心の高まりや、地球環境や社会・経済の持続性への危機意識を背景として、SDGs(持続可能な開発目標)やCSR(企業の社会的責任)という観点から、自発的に森林整備を行う森林ボランティアや企業等の活動が徐々に広がりを見せています。これらの活動は、森林整備が進むことはもとより、多様な主体が担い手として参画することにより、森林の重要性を認識する機会が広く生み出されるという効果も期待できます。
またこうした活動を通じ、より多くの方が森林を支え,守り育てる担い手となっていくことも重要です。

森づくり県⺠税とは

森づくり事業とは

森林づくりフォーラムとは

森づくりの成果・効果は?